定型文（formula）あるいは「決まり文句（stock expression）」についてわからないという学習者が多いようです。例えば、「これから言うことは一般論だけど」と但し書きを付けて何かを表現することがあります。その場合、generally speaking という慣用表現を知っていれば、「一般論としては、日本人はあまりはっきり物を言わない」といった内容を Generally speaking, Japanese are not very outspoken. とか Generally speaking, Japanese don't express themselves openly.のようにさらっと表現することができるでしょう。つまり、定型文を使うと英作文力を大幅にアップする道であると考えています。
しかし、ここで主張したいことは、定型文の有用性だけではありません。generally speaking という個別の表現を単独で学ぶよりは、「法的には」legally speaking、「やかましく言えば」technically speaking などを併せて学習することで、一個一個の定型文を覚えるより、総合的な慣用表現力を効率的に高めることができるということを強調しておきたいと思います。目的にしたがって関連した表現をまとめたものを「慣用表現のネットワーク」と呼びます。個別の表現をバラバラに学ぶよりは、ネットワークの中でそれぞれの慣用表現の特徴を際立たせることで、使い分けの力を育てるのに有用なことは間違いありません。